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『岸辺露伴は動かない』『ダイヤモンドは砕けない』? このタイトルの元ネタって何?

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映画や音楽や漫画などにおいて、人の興味を引くようなタイトル(題名)をつけることは重要な戦略である。
どんなに素晴らしい作品であっても、まずは見てもらわなくては意味がない

「Lancers」や「クラウドワークス」などのクラウドソーシング1サービスを取り扱うサイトを見てみるとよい。

ロゴの作成やWebサイトの構築といった仕事のカテゴリーに混じって、「ネーミング」というカテゴリーも存在する
企業は、お金を支払ってでも、自社の商品やサービスに良い名前をつけてもらいたいのだ。

閑話休題。
そんな工夫が凝らされた作品のタイトルには、他の作品のタイトルを連想させるものも数多く存在する。

パクリと言うことなかれ。「オマージュ」という便利な言葉がある。2

今回は、有名作品のタイトルの「元ネタ」と思われるものを、いくつかご紹介していく。

(この記事には独自の研究や考察が含まれています。)

01. ジョジョの奇妙な冒険 「ダイヤモンドは砕けない」

正式タイトル『ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない』(ジョジョのきみょうなぼうけん パート4 ダイヤモンドはくだけない、JOJO’S BIZARRE ADVENTURE Part4 Diamond is Unbreakable)(1992年 – 1995年)は、荒木飛呂彦による漫画作品のタイトル。

『ダイヤモンドは砕けない』というのは後になってから付けられた副題であり、連載当時の副題は第4部 東方仗助』というシンプルなものだった。

元ネタは、小説『ダイヤモンドは傷つかない』?

『ダイヤモンドは砕けない』の元ネタは、三石由起子の小説『ダイアモンドは傷つかない』(ダイアモンドはきずつかない)(1981年)。妻も愛人もいる中年男性と女子大生の同棲生活を描いた作品。

翌年1982年には映画化され、映画初出演となる田中美佐子が主役に抜擢された。
 

02. ジョジョの人気スピンオフ 「岸辺露伴は動かない」

岸辺露伴は動かない』(きしべろはんはうごかない、英語タイトル:Thus spoke Kishibe Rohan)(1997年 – )は、荒木飛呂彦による短編漫画シリーズ。

『ジョジョの奇妙な冒険』Part4『ダイヤモンドは砕けない』の登場人物である、漫画家の岸辺露伴を中心として展開するスピンオフ作品。

とても印象的な日本語タイトルであるが、実は英語タイトルの『Thus spoke Kishibe Rohan』にもちょっとしたネタが隠されている。

意外すぎる元ネタは、ニーチェの著作『ツァラトゥストラはこう語った』?

『Thus spoke Kishibe Rohan』の元ネタは、ドイツの偉大な哲学者フリードリヒ・ニーチェによる著作『ツァラトゥストラはこう語った』(ツァラトゥストラはこうかたった、独:Also sprach Zarathustra)(1883年)だろう。3

原題がドイツ語であるためピンとこないが、両者の英語のタイトル同士を見比べてみると共通点が見つかる。

『ツァラトゥストラはこう語った』の英訳版のタイトルは『Thus Spoke Zarathustra』であるが、
『岸辺露伴は動かない』の英語タイトルは『Thus spoke Kishibe Rohan』となっており、いかにも『ツァラトゥストラはこう語った』を想起させるようなタイトルになっている。3

意味合いとしては、「ナビゲーター役である『岸辺露伴』は『このように語った』」というような感じだろう。

日本語のタイトル『岸辺露伴は動かない』もかなり印象的なタイトルではあるが、英語タイトルにはまたちょっと違ったニュアンスを含ませているところが面白い。

余談ではあるが、『岸辺露伴は動かない』の主人公は、岸辺露伴ではない4
各エピソードの主人公は、岸辺露伴とは別に存在する

「岸辺露伴は」あくまでもナビゲーター役であり、「動かない」のだ。3
 

03. 日テレのトークバラエティ番組 『恋のから騒ぎ』

恋のから騒ぎ』(こいのからさわぎ、Much Ado About Love)は、1994年から2011年に日本テレビ系列で放映されていたトークバラエティ番組。司会は明石家さんま。通称は「恋から」または「から騒ぎ」。

オーディションで選ばれた素人の女性たちが、司会者やゲストとの間で恋愛にまつわるトークを行う形式。小林麻耶小林麻央などの人気タレントを輩出した。

意外な元ネタは、シェイクスピアの劇作『空騒ぎ』?

恋のから騒ぎ』(Much Ado About Love)の元ネタは、ウィリアム・シェイクスピアによる劇作『空騒ぎ』(からさわぎ、Much Ado About Nothing)は。1598年頃に初上演されたと思われている。

名誉、恥、宮廷政治などに関する考察を含んだ作品ではあるが、全体としては陽気で楽しい作品である。
一般的には、シェイクスピアの喜劇の中でも最良の作品とされている。
 

† 脚注 †

  1. (英語:crowdsourcing)不特定多数の人(クラウド)の寄与を募り、必要とするサービスやアイデアなどを手に入れる仕組み。
  2. オマージュ(英語: hommage)とは、芸術や文学において、尊敬する作家や作品に影響を受け、似た作品を創作すること、またその創作物を指す語である。しばしば「リスペクト」(尊敬、敬意)と同義に用いられる。Wikipedia
  3. 日本語では「ツァラトゥストラはかく語りき」、「ツァラトゥストラはかく語れり」、「ツァラトゥストラはこう言った」などとも。
  4. 『死刑執行中脱獄進行中 荒木飛呂彦短編集』のあとがきで、荒木氏自身がそのように語っている。
書いた人
HASH

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